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2008年07月15日
明治屋の『嗜好』100年目で休刊
昨日のランチ時に明治屋に寄ってみたら、表題の内容のポスターが貼ってあってびっくり。
本誌は、明治41年(1908)に創刊され、以来百年となりました。
この間、本号で585巻、別冊73巻を刊行してまいりましたが、このたび、百年を区切りに、いったん休刊することにいたしました。
永い間のご愛顧に対し、厚く御礼申し上げます。
又、38年間にわたる本誌の編集者 亀澤千恵子さんに深く感謝致します。株式会社 明治屋 社長 米井元一
嗜好については大学生くらいから折を見て収集していたのですが、いやしかし休刊とは寂しい限りです。過去の日記にも何度か触れていましたっけか。
君は『銭湯PR誌1010』を知っているか?: KQZ on authentic
http://www.authenticbar.com/kqz/days/archives/001060.html
- 明治屋の「嗜好」
- これまた超絶老舗のフリーペーパー。なんと今配布している号で576号です。創刊は1908年4月というから恐れ入谷の鬼子母神。(なんか紹介文も古色がかってきてますが気になさらずに)
毎号毎号多士済々が寄稿されていて面白いのですが(先号あたりまでは小泉武夫さんの発酵食品のについてのインタビューが面白かった)、明治大正時代のバックナンバーからの記事がそこかしこにそのまま転載されているのが非常に興味深いのです。例えば明治四十二年五月一日号からの転載記事では「燒き物に關する誤解」と題して、こんな文章を見ることが出来ます。
- 英米より帰朝の人は異口同音に「外国の焼き物は実に堅牢だ」というが、その焼き物の名前を聞くと答えられない。
- 機会を得て洋行するに至ったが、探してみても石焼(磁器)はない。有ったとしてもSemi porcelain(半磁器)と書いてあるのを見て、「米国人は今日まで磁器即ち石焼を作ることを知らぬ」と手を拍って笑った。半磁器とは陶器で磁器をまねることに苦心した賜物であると。
- 確かに一時期の日本ではオランダ焼きと称して呉須畫(ごすゑ)の陶器が盛んに輸入されたものだがそれは外国品という新奇を好む考えでありほどなく飽きがきていつしか輸入も止まった。
- その後西洋料理が盛んに行われるようになってから英国ジョンソンの硬質陶器が輸入されたが、今日に本の上流社会の人が西洋の一膳飯屋の藍筋の肉皿に満足する筈はないから、現に近頃は佛國製磁器の輸入を見るに至った。
- 即ちもはや日本ではそろそろ第二の英国硬質陶器きがいやになった時代が来たと思われる……
と、当時ならではの西洋諸国への微妙なコンプレックスを陶器磁器という日本のお家芸的産業を通して昇華しようという姿勢が慇懃な文語体から見て取れるのです。
こういった文章が無料で読めるなんてもう大変にありがたい。ジャムとか明治屋でバンバン買っちゃう。ちなみに呉須畫(ごすゑ)の呉須は確かコバルトのことなので、藍筋ってのも合わせて読むと青い筋の染付け陶器の事だと思われます。陶器で青い
大正三年六月一日号の『果物のサラド』を見ると当時からフルーツサラダはメニューに存在していたのだとかいうこともわかります。キルシュ酒とかマラスキーノとかもレシピに入っているし。
ホントいちいち面白いよなぁ。
半年くらい前に明治屋の人とお話したときにはこんなこともおっしゃっていたのではありますが……
29日はクール・ド・リヨンの社長とカルヴァドス: KQZ on authentic
http://www.authenticbar.com/kqz/days/archives/001603.html
目の前に座っていらした明治屋さんに「嗜好が大好きなんですよ」とかいうお話をしつつ和む。「うちのオーナーが『嗜好だけはなにがあっても続けろ』と言ってまして」だそうです。明治屋でちゃんと買い物しますんで末永く続けていただきたく思うわけですハイ。
ともあれ100年の長きにわたってご苦労様でした。
検索してみると、こんなページもあったので勝手にリンク。
図書出版 創元社_連載・読み物【古書往来_43】
http://www.sogensha.co.jp/page03/a_rensai/kosho/kosho43b.html
投稿者 KQZ : 2008年07月15日 12:23 | [EDIT]
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